Candle on the table

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お風呂に入った。今日はいつもより長くて、
さすがに、のぼせ気味。
バスローブを着て、ベッドの上で髪を拭く。

どうしても、テーブルの上に視線が止まってしまう。
うん、もう一度見よう。我慢するのは体に悪い。

小さな箱を手にとって開ける。
中に入ってたリングを薬指にはめて。
いいよな〜 これ。
って、何度目? 帰ってきてから。


「ほれ、これやるわ」
「なになに?」
「開ければわかる」
小さな包み紙でリボンがかかってて。
これって‥

包み紙を開いたら、しっとりした生地の箱。
パカンってあけたら‥‥ やっぱり‥

「そういうこと」

「お〜い! 何とか言えよ〜
 選ぶの時間かかったんだから、それでも。
 おれにしちゃ新記録。
 物買うのに、あんなに時間かけたの初めてだよ」

だって。 だってさ、
全然、そんな素振り見せなかったじゃない!
そりゃ二人で遊んだよ、いろんなとこに行って。
でも、キスもしてないじゃない、一回も。
だからさ、それぐらいの関係かなって、あきらめてた。
それでもよかった。一緒に居られるから。
自分にはそう言い聞かせてた。

そう思ってたのに、
突然こんなものくれたら。

「泣くなよ。人が見てるよ。
 なんか、俺が別れ話でもしてるみたいじゃないか」
「‥‥‥」
「もういいや。いちおう、これ、予約ってことで」
薬指にはめてくれた。

私もう舞い上がってて、そのあとのこと全然覚えてない。
気が付いたら家の前で。キス、されてた。


早く寝ようと思ったけど、寝られない。
いろんなことが今日、いっぺんに起きた。
クリスマス用のキャンドルを、テーブルの上で灯けた。
指輪が、揺らめく光の中できらきら輝いてる。

メールした。
「寝らんないよ〜」

すぐに返事が来た。

「寝ろ!! 俺は忙しいんだ。
 これからのこと考え中なんだ。俺ら二人のな。
 だから、今夜は大人しく寝てろ!」

よろしくお願いします。ダーリン。

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Fin