『 チクチク 』



目が覚める。
隣にあいつがいない。まだゲームやってるんだろうか?

それにしても、こんな夜中に目が覚めたのはどうして?
お布団はちゃんとかぶってるし。
トイレに行きたいわけでも‥‥

チクチク。
どこからか、連続した弱々しい刺激。
‥‥足元?

チクチク。
右足のふくらはぎのところ。
はいずるようにゆっくりと上がってくるもの。
突然その感覚がなくなって不思議に思ってると、
こんどは左足、太ももの外側を移動し始める。

これは‥‥ あいつの生えかけのアゴヒゲ? たぶんそう。

私が、どうしてもやめられないこと。
寝るとき、手の甲で伸びかけのヒゲに触わること。
そうしてると、なんか気分が落ち着く。

でも、二日分伸びたせいだろう。いつもとちょっと違う感じ。

そんなことを考えてる間にも、
チクチクは、太ももをゆっくりと進んでくる。
あ! 少しずつ内側へとコースが変わってる‥‥
その意図に気づいて、思わず足に力が入る。


動きが止まった。
今ので、目が覚めているのに気づかれたかも。

舌が右足のももの内側をスッとかすめた。
ビクンって体がはねるように動いてしまう。
もうやだ。
試されてるってわかってるのに、まともに反応しちゃうなんて。

普段はどんなふうにされても、
寝ちゃったら最後、絶対起きないんだけど、
きょうは変だ。そう、チクチクがいけない。

腰を横から押された。うつぶせになれって?
なんでこんな時間にあんたの相手を‥
そう思いながら、しっかり言うとおりになってる私。

パジャマの上着がめくられた。
背中にチクチク。脇腹も。腰も。あっちこっちで。
くすぐったいのに気持ちよくて、息がとぎれとぎれになる。

お尻を覆ってたショーツとパジャマが、一気に剥かれた。
でもあいつは、全て脱がそうとはしない。いつも。
もものとこでで、半端に引っかかったまま。
私のお尻は、まるだし。

太ももに重みを感じた。あいつのお尻がのっかってる?
両手がうしろから脇のところに来てる。
肘で支えて体を少し浮かせると、すぐに両側から潜り込んでくる。
両方の胸がつかまれて、ゆっくりと揉まれる。
指先は器用に乳首をつまんで。
一方で、お尻と腰がチクチクしてた。

だめ。声が出るの抑えられない‥‥

いいやもう。
あそこはとっくに濡れちゃってたし。


もう一度、上向きにされる。
あっというまに、パジャマが全部脱がされてしまう。
そして、ベッドから出て行ったかと思うと、すぐに戻ってきた。

上から抱きしめられ、素肌が触れあう。
頭を片ほうの手で支えられ、子供みたいに抱かれて。
これ、大好き。身も心も任せてる、そんな感じがして。

キスをする。舌を自分から絡めてしまう。
私の体の中で、スイッチが入ってしまっていた。

両肩をつかまれ、引き離される。
首筋を這う唇とチクチク。違った刺激が交互に私を襲う。
胸を降りお腹を通過して、まっすぐあそこへ向かってる。

顔を動かすこともなく器用に私の右横まで移動してる。
手で両足を閉じられる。
左手の指二本は、
クリトリスの両サイドを、おなかの方向に軽く引っ張ってる。

もう‥‥ 待つ‥‥ だけ‥‥

スッ。
舌先の正確な一撃に、私はうめき声を上げてしまう。
何かにつかまりたくなって、手を伸ばす。
右手が固いものに触れる。ためらうことなく手のひらで包む。
握りしめると、手の中でさらに膨らみ、硬さが増していく。


スッ。もう一度。強烈な刺激。
その快感にどうしようもなく、左手は伸ばした先の頭をつかむ。


いくどとなく繰り返される愛撫。恥ずかしさはとっくに消えてた。
より多くの快感を求めるように、知らず知らず足が開いてしまう。

指が入り口に当てられ、たわむれるように動く。
その動きにあわせて、あふれたものがピチャピチャと音を立てる。

その間も、舌は別な動物のように、
あふれる液体をすくい取っては、クリトリスに垂らし、
思い出したようにときおり触れる。
押し寄せる複数の快感は、私を急速に押しあげていく。

いく‥ いっちゃう‥ いっちゃう!

私の変化を感じ取ったように、両手が胸をつかむ。
思いっきり強く、わしづかみで。指の跡が残りそうなくらい。
乳首が同時に激しくねじりあげられる。

その痛みに、私は一気に絶頂へと押し上げられた。
全身がこわばる。息が出来ない。

同時に、強烈なうずきが私を襲う。
耐え切れなくなり、私はケダモノになる。
ただひたすら、かたわらのオスに懇願する。
両足を広げ、腰を淫らに揺らしながら。
「いれて! お願い! はやく!」

満たして欲しい‥
入り口に押し当てられる。
やっと、そう、やっとだ。
私の感覚は、触れ合ってる一点に集中する。
欲しい。それで、埋めて欲しい。いますぐ。

私はその時、イヤイヤをしていただろうと思う。
欲しいおもちゃをねだる子供のように。あからさまに。

そしてやっと、押し広げるようにそれが入ってくる。
ゆっくりと。

奥! もっと奥! お願い‥
腰を押し付けて、少しでも早くと、懇願する。

一番奥まで満たされたとき、
やっと一つ目の希望がかなえられる。
でも、もっと‥

さらに奥に押しこむようにあいつの腰が動く。
上下に、左右に、探し求めるように。
ある角度で、それに‥ あたり始める。


だんだんと大きくなる動き。
同じ位置をはずすことなく、延々と続く。
淫らに私の腰が動く。全ての快感を貪るように。
止められない。もう我慢できない。
どんな目で見られてもかまわない!

そこ! そこがいいの! 好き! だいすき!

私を満たしていたものが、いったん大きく引き抜かれ、
そして、とどめのように思いっきり突きこまれた。

私‥ 何かを‥ 大声で‥ 叫んだ‥ 気がする

その記憶を最後に、私の意識は遠のいていった。

初出:おんなのこでも感じるえっちな小説4 2003/03/17